無事、降谷家の居候となった礼弥。
千紘の送迎付きで学校にも再び通うこととなった。
それを見ていた蘭子は嫉妬から、千紘との仲を勘違いさせるような発言をするようになる・・・。
礼弥は蘭子が千紘を好きなのだと理解し、二人の邪魔をしているのではないかと悩む。
ある日、紫両寺に来宮・ダリン・アーシェントと名乗る女が現れる。
ダリンは千紘の祖父(茹五郎)をボイル教授と呼び、再び一緒にゾンビの研究をするために南の島から来たという。
礼弥を見たダリンは、自分にも礼弥を研究対象として貸してくれと千紘に頼む。
断る千紘だったが、あっさり千紘の父から居候の許可が出て、ダリンは降谷家にホームステイすることとなった。
短期間にいろいろなことが起こった降谷家だったが、千紘の妹である萌路(めろ)は落ち着いたものだった。
幼い頃に母を亡くした千紘と萌路。
萌路にとって唯一の母に関する記憶は、熱を出した自分の額を触る、包帯まみれの冷たい手だけ・・・。
ある時ふいに、礼弥に母の面影を感じた萌路。なぜか、あの冷たい手の温度に・・・。と、萌路は不思議に思うのだった。
その翌日、礼弥がいつも通り学校にいると、ダリンが制服を着て侵入していた!
転入生と偽り、校内の案内という名目で礼弥を屋上に連れ出すダリン。
ダリンは礼弥の望む「普通の生活」というものに疑問を持っていた。
ゾンビになり、肉体の長期保存を望んでいるのにも関わらず、肉体にダメージを与える外出を繰り返している礼弥の矛盾を指摘する。
アジサイを食べ、毒素を体内に取り込んでいることで”新鮮期”の今は肉体も意識も平常に保てているが、
あと1週間ほどでそれが終わる。そうなれば人間との共存は難しい・・・とダリンは告げる。
しかし礼弥は笑顔で、それなら今の暮らしを大切に終わるまで満喫すると言う。
ダリンはゾンビであるはずの礼弥がここまでポジティブであることに驚く・・・。
その時、ダリンが足を踏み外し屋上から落ちてしまう・・・!
礼弥の助けによって無事だったが、礼弥の左腕がちぎれてしまうのだった。
このことに千紘は驚き、ダリンを責めたてるが、逆に自分の管理不足をつかれ、自己嫌悪に陥る。
一方、礼弥はダリンにすっかりなついてしまい、紫陽祭りに一緒に行こうと誘う。
千紘も礼弥を誘うつもりだったため、葛藤するのであった・・・。
こんなかんじで3巻終了です。
ゾンビと人間の共存・・・ゾンビと人間の恋・・・
どちらも簡単にはいかないようです。
次巻では恋模様が乱れる様子ですよ!
writer:けい